3.5. ブレンド (グラデーション)

図14.62 ツールボックス上の「ブレンド」ツールアイコン

ツールボックス上のブレンドツールアイコン

このツールは選択範囲をグラデーション (勾配ぼかし塗り) で塗りつぶすのに使え、 描画色から背景色へ徐々に変化する初期設定のほか、 非常に様々なオプションがついています。 色の変化の始点から勾配の進む方向へドラッグしてゆき、 その大きさも位置もちょうどよいと思える場所で放せばブレンドができあがります。 色の勾配を緩やかにするには終点までの距離を長くとります。 ドラッグする距離が短ければ際だった変化になります。

このツールを使ってできることは目をみはるほど多数あり、 はじめはちょっと面喰うかもしれません。 オプションのうち最も大事なのが「グラデーション」と「形状」です。 ツールオプションの グラデーション ボタンを押すとグラデーションを選択できるウィンドウが現れますから、 ここで GIMP が提供する数々の多彩なグラデーション柄を選べますが、 あなた独自のグラデーションを構成することもできます。 グラデーションについてのもっと詳しい情報は、 「グラデーション」 や 「グラデーションダイアログ」 にあります。

形状 には線形、 双線型、 放射状、 四角形、 円錐形 (対称)、 円錐形 (非対称)、 形状広がり (角張った)、 形状広がり (球面)、 形状広がり (くぼみ)、 螺旋 (時計回り)、 螺旋 (反時計回り) の 11 のオプションがあります。 これらは後で詳しく述べます。 形状 オプションは選択範囲の輪郭に沿ってグラデーションをかけるものであり、 うねった形にも対応できる非常に面白い機能です。 「形状」グラデーションはマウスでドラッグする距離に拠らないところがほかの形状に対するのとは異なります。 後者が選択範囲内でマウスポインターをドラッグしてグラデーションをかけるのに対して、 「形状」の方はクリックする場所もドラッグの仕方も問題にしません。

[ヒント] ヒント

モードメニューにある 差の絶対値 オプションを選んで、 (完全透過でも構いませんから) 同じようにすれば、 素晴らしい渦巻模様ができて、 カーソルをドラッグする度に増えて変化します。

3.5.1. 呼び出し方

このツールを起用する方法はつぎのいずれかです。

  • 画像ウィンドウのメニューより ツール → 描画ツール → ブレンド

  • ツールボックスのツールアイコン

  • キーボードショートカット L

3.5.2. キー修飾 (初期設定)

Ctrl

Ctrl キーは制限つきの直線を引くのに使われます。 線の傾きは 15 度刻みの方向のいずれかのみ選べます。

3.5.3. オプション

図14.63 「ブレンド」ツールのツールオプション

ブレンドツールのツールオプション

一般的にはこのツールを起用すると、 そのツールオプションがツールボックスの下に繋げられたウィンドウ上に現れます。 そのようなウィンドウが見あたらないときは、 画像ウィンドウのメニューより ウィンドウ → ドッキング可能なダイアログ → ツールオプション と辿れば今使っているツールのツールオプションウィンドウが開きます。

モード; 不透明度
描画ツールの全般もしくは大多数に共通するツールオプションについての説明は 描画ツール共通のオプション をご覧ください。
グラデーション

グラデーションの多彩な柄がこの簡易型グラデーション選択ウィンドウから選べます。 このツールは描画色から背景色への漸進的変化かもしくは他の色を徐々に取りこんだ柄を、 画面上にマウスでドラッグして示される線の方向で塗るはたらきがあります。 グラデーションで描くための、 「反転」 チェックボックスはグラデーションの向きを反転させるものであり、 つまりたとえば描画色と背景色を交換した場合と同じ効果があります。

オフセット

オフセット 値はグラデーションの「傾斜」の増加を可能にします。 クリックした始点と色変化が起こる位置を分けてその間の距離を定めます。 線形以外の形状にはこのオプションが適用されません。

図14.64 「ブレンド」ツール: オフセットの例

ブレンドツール: オフセットの例

上段のオフセット = 0、 下段のオフセット = 50%


形状

GIMP には 11 種類の形状があり、 引き出しリストから選べるようになっています。 それぞれの形状を詳しく解説します。

図14.65 グラデーションの形状の例

グラデーションの形状の例

線形

グラデーションの形状の例

双線型

グラデーションの形状の例

放射状


線形

この場合のグラデーションは引かれた線の始点に描画色を置き、 直線的に終点の背景色まで色を変化させてゆきます。

双線型

この形状は引かれた線の長さに基づいて決められた距離で、 始点から双方向に向かいます。 たとえば筒状の表現に向いています。

放射状

このグラデーションは同心円状に、 中心の描画色から外周の背景色へと描かれます。 指向性照明のないときの球体のように見えます。

四角形; 形状広がり

図14.66 四角形; 形状広がりグラデーションの例

四角形; 形状広がりグラデーションの例

四角形

四角形; 形状広がりグラデーションの例

形状広がり (角張った)

四角形; 形状広がりグラデーションの例

形状広がり (球面)

四角形; 形状広がりグラデーションの例

形状広がり (くぼみ)


四角形、 形状広がり (角張った)、 形状広がり (球面)、 形状広がり (くぼみ) の 4 つの形状は正方形上の変種です。 いずれも正方形の中心に描画色を置いていますが、 正方形の中心は線を引いたときの始点とし、 線の長さが対角線の半分と同じになります。 これら 4 つのオプションはグラデーションの算出規則の変化によるもので、 その違いを見分けるには試してみるのが一番です。

円錐形 (対称); 円錐形 (非対称)

図14.67 円錐形グラデーションの例

円錐形グラデーションの例

円錐形 (対称)

円錐形グラデーションの例

円錐形 (非対称)


円錐形 (対称) 形状は円錐の頂点を上から見下ろしたような感じの効果があり、 引いた線の向きから背景色で彩られているように見えます。

円錐形 (非対称) は 円錐形 (対称) に似ていますが、 引かれた線の部分が「円錐」の尾根筋のように見えるところが違います。

螺旋 (時計回り); 螺旋 (反時計回り)

図14.68 螺旋グラデーションの例

螺旋グラデーションの例

螺旋 (時計回り)

螺旋グラデーションの例

螺旋 (反時計回り)


螺旋 形状は渦巻を描くもので、 引いた線の長さで繰り返しの幅が決められます。

反復

ノコギリ波 と 三角波 の 2 種類の繰り返しモードがあります。 ノコギリ紋は、 描画色で始まり背景色まで続く色の変化がそこからまた描画色で始まる繰り返しでできています。 三角の方は描画色より始まり、 背景色まで色の変化が進むとそこからは逆に背景色で始まる繰り返しでできています。

ディザリング

ディザー効果の十分な説明が 用語集 で読めます。

適応型スーパーサンプリング

これは斜線や曲線上での際だった色変化で起こるぎざぎざの現象を抑え、 より高度な方法で平滑化します。 ともかく試してみないことには選びようがないオプションですね。